「テレビ大阪での『未来少年コナン』、7月に入って
放映時間が変更になり、平日朝に毎日になったので、
すでに一気に最終回まで済んじゃったんですが…」
「そのため、録画しておいたのが、
まだ全部見れてないと(^^ゞ」
「というわけなので、最終的なレポートはまた後日したい
ところですが、とりあえず見終わったところまでで言うと、
やはりコナンもハイハーバーでの生活を通じて
社会人としての素養はかなり学習したことは読み取れるね」
「ドアをノックする場面などは、その典型ですネ」
「だから、性別概念についても、おぼろげながらに理解
しはじめていることは推測可能やけど、それでも
その点の明示的な描写は、やはり見当たらないです」
「…ハイハーバーの社会における
性別役割分業のほうはどうやった?」
「うーん、ソレは予想どおり相当に類型的やったナ。
家事系ケアワークは専ら女性の仕事というイメージ
が強く描かれてると言わざるを得ないというか…」
「『インダストリアが攻めてきた! 男は武器を取れ!
女こどもは地下室に避難しろ!!』…というのは?」
「うーん、それに関しては、そうでない表現というのも、
なかなか難しいところやしなぁ…」
「たしかに、ソレはそうかも。
『男女平等に女性も戦場へ』モンダイというのは
湾岸戦争※以来 注目のテーマやけど、ただ
本来的には『男女平等に男性も戦場へ行かない』
のが正解じゃないの??」
「いゃ実際、各種の性別役割分業とか、
男らしさ・女らしさといったジェンダー規範、それに
そもそもそういったものを含めた性差・性別という名の
フィクションが、なんのために創作されているかと言えば、
それは国家が戦争をしやすいようにという、
そのための都合に他ならないわけですよ」
「うーん、深いなあ…。たしかに
人間は女と男の2種類で、女は女らしく・男は男らしく
――ということにしておいたほうが、
男は女を守るために戦えというロジックが構成しやすく
なって、結果として徴兵がスムーズに運ぶんやな。
…とはいえアニメの中では、
【理不尽な侵害に対して正当な権利は主張しよう】
というメッセージもまた必要なわけで、それを、
“武器を取って戦う”ような表現で描かざるをえない
こともあるし、難しいね…」
「むろん、少なくとも『未来少年コナン』全体のバランスを
見ると、戦争の愚かさはじゅうぶんに伝わる構成になってる
けど、ただまぁそういうジェンダーに関する深淵には
至っていないということになるかな」
※1991年の湾岸戦争の前後、アメリカ軍における女性兵士の存在が注目されるようになり、論議も呼んだ。
ちなみに湾岸戦争当時のNHKアニメは『ふしぎの海のナディア』。潜水艦ノーチラス号のブリッジにも当たり前のように女性士官(便宜上「士官」と表現しました。ネモ船長「この船は軍艦ぢゃナイ!」と怒らないで(^o^)丿)がいた。
そしてこのような日本のアニメにおける「女性の戦場への自然な――『宇宙戦艦ヤマト』の森雪のような“紅一点”ではない――存在」の系譜をたどると、やはり到達するのは1979年のファーストガンダム。
したがって1978年の『コナン』は、日本のアニメが「女性と戦場」問題と実践的に向き合うようになる、それ以前の作品と言うことができるかもしれない。
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